2015年から「ダウンロードや複製した音楽CD-Rは持ち込みできません!」と言う結婚式場が増えてきている様です。
原因はあの憎き「JASRAC(ジャスラック)」とCD売れなくてヒーヒー言っている「日本レコード協会」と無理矢理結婚式を食い物にしようとしているアイサム(ISUM)です。
この3団体が結婚式場に脅しをかけているとの噂です。
結婚式の曲はCD-Rでの持ち込み不可?
ダウンロードした曲は結婚式で使えない。噂では聞いていましたが、僕が当事者になるとは思っても居ませんでした。最初にちょっとだけ僕の体験談です。
突如「アイサム(ISUM)」が絡んでくる
事の発端は結婚式場から貰った「曲順リスト」と言う紙を記入している時の事です。流したい曲も決まり、どの曲をどの様に流してほしいかを「曲順リスト」に記入していました。すると端の方にしれっと
CDは市販の物のお持ち込みとなります。複製権申請ご希望の方はアイサム(ISUM)への申請を承ります。
は?なにこれ聞いてないんだが。
結婚式はただでさえお金がかかります。少しでも節約しようとペーパーアイテムを手作りし、ムービーは片っ端から自作していました。それをこんな訳の分からないところで予想外の出費をするのは嫌です!
プランナーさんの対応は・・・
とりあえず電話。担当のプランナーさんが離席中との事でたまたま電話に出たプランナーさんに確認すると
「そうなのです。申し訳ございません。市販のCDをご用意頂くか複製権の申請をお願い致します。」
何とも畜生な回答。聞いてないぞバカヤロウ!その場は一応、了解しましたと返事をして電話を切りました。もちろん納得できていないです。
しかし怒りも収まらず、この怒りをぶつけてやろうと数時間後に担当プランナーさんに電話すると
プランナー「あ、大丈夫ですよ!CD-Rの持ち込みオッケーです!」
あっさりOKでました!電話しておいて良かったー!でも何で回答が違ったのだろう。恐らく制度がちゃんと確立されていなくて全従業員に浸透していないのか。ベテランさんは抜け道を知っているのか?その辺は謎のままです。下手に突っ込むと撤回されると思ったので。
って事で、以下の内容はプランナーさんへの1回目から2回目の電話の間(3時間ほど)で調べた内容です。僕は助かりましたが、せっかく調べたのでお役に立ててください!
アイサム(ISUM)って何?
そもそもアイサム(ISUM)って何なのでしょうか?
アイサム(ISUM)は会社の名前です。正式には「一般社団法人音楽特定利用促進機構」と名乗っている様です。
何をやっているか簡単に言うと「結婚式で使う音楽の著作権、著作隣接権の申請を代理で行いますよ!」って感じです。って言う事で「結婚式」を完全ターゲットにしています。
アイサム(ISUM)に申請が必要なケース
ISUMは「ウェディングで使用する音楽の複製には全て【複製権】が発生します」と言っています。ここで言う「複製」とは、レンタルしたり購入したCDの音楽をいったんPCに保存し、別のCD-Rに書き込む行為の事です。
また、ウェディングで使用する音楽とは以下の音楽の事です。
①披露宴やパーティーで流す楽曲
③映像作品に収録される楽曲
④記念のビデオに収録される楽曲
結局、全部です!
クラシックor無音で結婚式をやらない限りは逃れられそうにありません。
JASRAC(ジャスラック)と日本レコード協会の違いって?
先程の画像でアイサム(ISUM)から2本矢印が伸びて「JASRACなど」と「日本レコード協会」への申請が必要だと書かれていました。では、これらの団体って一体何なんでしょうか?何が違うんでしょう?
JASRAC(ジャスラック)とは
ジャスラックとは一般社団法人音楽著作権協会「JASRAC(ジャスラック)」のことです。ネットでは、著作権料が著作者に還元されず、この団体の資金になっていると言う事に疑問を持っている方々から「カスラック」とか呼ばれていますよね。
日本レコード協会とは
一方、一般社団法人 日本レコード協会と言うのは、日本国内の色々なレコード会社が参加している社団法人です。
日本ゴールドディスク大賞やCDのミリオン認定などしている機関です。
JASRAC(ジャスラック)と日本レコード協会の違い
この2つの一般社団法人の違いは、著作権を扱っているか著作隣接権を扱っているかの違いです。
日本音楽著作権協会は、音楽の著作権者(作曲家、作詞家、編曲者など)の団体です。
日本レコード協会は、レコード会社の団体です。日本音楽著作権協会は、音楽の著作権者の信託を受けて、その著作権に関する許諾業務など、権利の行使に関する業務を行います。
レコード製作者は、著作権ではなく、著作隣接権(レコード製作者の権利)という権利を持っています。日本レコード協会はレンタルレコードCDに係る料金(貸与報酬)の請求・分配などこの権利の行使に係る業務も行っています。ただ、レコード協会は、レコード会社の業界団体であり、著作権関係業務だけを目的としているわけではありません。引用元OK WAVE
アイサム(ISUM)が必要な理由
プランナーAさんに「CD-Rダメ!絶対!」と言われてから調べていて、
「金を払わなければならない団体は分かった。では、申請をしてやろう。しかし、アイサム(ISUM)とか言う訳の分からない団体に中間マージン抜かれる位なら・・・自分でやってやる!」
と息巻いて色々と調べてみました。しかし、やはり自分でやるのは厳しそうなのでその辺の理由を説明します。
アイサム(ISUM)経由でないと著作隣接権の申請が出来ない
JASRAC(ジャスラック)は、よほど申請をして貰いたいのか、申請書のフォーマットが分かり易く配置してありました。
しかし、問題なのは日本レコード協会(著作隣接権)の申請でした。
著作隣接権の申請に関してはJASRAC(ジャスラック)の様な集中管理団体が存在していないみたいです。
各レコード会社へ個別に申請をしなければならないのですが、個人の申請が出来ないレコード会社がほとんどみたいです。
つまり、アイサム(ISUM)経由でないと申請が出来ないと言う事です。
見事な著作権管理団体の連携プレーです。申請する場合はアイサム(ISUM)経由でないと困難だと言う事がわかりました。
どちらかに申請すれば済むんじゃないの?
JASRACへの申請が出来そうなら、そっちだけに申請すれば終わりじゃないの?と思ったのですが、どうやらそれではダメなのです。
まず、JASRAC(ジャスラック)が持っている「著作権」には「演奏権、複製権」などがあります。
一方で、日本レコード協会が持っている「著作隣接権」には「複製権、貸与権(レンタル)」などがあります。
ちょっとわかりにくいので表にします。
含まれる権利 | ||
JASRAC(著作権) | 複製権 | 演奏権 |
日本レコード協会(著作隣接権) | 複製権 | 貸与権 |
つまり、著作権者(ジャスラック)と著作隣接権者(日本レコード協会)では両者に「複製権」が認められているので、その権利の使用料を二つの団体に払う必要があると言う事になります。
結婚式場もJASRAC(ジャスラック)と契約の必要がある
結婚披露宴でCDを流すためには「演奏権」が必要になります。
また、式場に有料でビデオ撮影を頼んで、会場で流れている音楽がビデオに収録される場合は「複製権」に該当します。もう無茶苦茶ですね。
結婚式場もこの「著作権問題」には苦しめられていると思います。
急に著作権とか言い出したよね?
そもそも今までたくさんの友達が結婚式をして、こんな話は聞いた事が無かったので疑問に思いました。何で急にこんな事を言い出したのか?
結婚式は「不特定多数の人が集まる」「ご祝儀は入場料にあたる」ため、私的利用には該当せず、 無断で使用すると「著作権侵害は犯罪であり、10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金、 著作者人格権、実演家人格権の侵害などは、5年以下の懲役又は500万円以下の罰金などが定めれれています」とのこと。
引用元 1.5MAGAZINE
ここに目を付けたのですね。結婚披露宴は「私的利用」の範囲外と言う事で強引に著作権料を回収しようとしている訳です。
「ご祝儀を入場料と解釈すれば著作権で金とれるじゃん!俺天才www」
とか考えたアフォが居たんです。マジで迷惑ですね。結婚式と言う幸せな空間にこういったものを持ち込まないで欲しいです。
アイサム(ISUM)申請には幾らかかるのか?
僕たちの結婚式ではアイサム(ISUM)への申請を回避できてしまったので確実な金額はわかりませんが、もし自分の結婚式で著作権利用料を申請していたら幾らかかったのかを計算してみました。良かったら参考にしてください。
CD-Rの持ち込みが出来ない結婚式場
高確率でCD-Rの持ち込み出来ない式場をまとめました。
あなた方が結婚式を挙げようと思っている式場がこのリストに入っているならば、早めに式場に確認する事をオススメします。
アイサム(ISUM)に金を払わないたった1つの方法
払わなければならないかどうかは、残念ながら結婚式場次第になります。
ただ、自分たちで出来る方法も1つだけあります。
CDを買う事です!
CDを買えば「複製」は発生しないので著作権利用料を払う必要はありません。
使いたい曲の入ったCDをどっさり持って行って、結婚式場にシーンごとに曲を指定しておけば対応して貰えます。
ところが、結婚式の準備期間はブックオフに行ってじっくりCD探している余裕なんてありません。
そこでオススメなのは「インターネットでの購入」です。
当たり前ですが、インターネットの検索をすれば使いたい曲がどのアルバムに収録されているのかはすぐに調べる事が出来ますし、楽天・Amazonなどですぐに購入手続きをとる事が出来ます。
準備期間中は忙しいですからね。インターネットの機能をフル活用して効率的に揃えてください。
まとめ
決して安くは無いお金を払うのだから、結婚式場もちゃんと説明をしてほしいですね。僕の場合は何とか逃れる事が出来ましたが、既に著作権料払って結婚式を挙げたと言う方もいらっしゃるかと思います。
僕が結婚式を挙げたのが2015年10月末だったのでまだ逃れられる時期なのかもしれません。見積もりの段階で式場に確認しておくことが必要ですね。
後で嫌な思いをしない様に気を付けてください!
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